綿から糸に糸を布に織る

綿花から紡いだ糸を布に織る原始的なサンプルを作ってみました。まずは、原綿から糸に紡ぐ工程を案内します。下の写真のように綿の端を摘み撚っていくことで糸になっていきます。

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このようにして撚っていくと下の写真(上部)のような糸になります。この糸は太さが均一ではありません。そのために、まずは写真の下部のように撚らずに綿の繊維を1方向にそろえて束のようにした紐状に長く作ります。

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この束の状態でも太さは均一でないため、このような束を複数まとめて1本の束にすることで、均一な太さの束に仕上がっていきます。その束を撚ると均一な糸に仕上がっていきます。

糸から布に織るのは、原始的な方法としては平織ということになります。経糸緯糸を交互に織ることで布に仕上がっていきます。

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この糸の本数が1インチあたりどれだけ使われているかにより、生地密度が変わります。たとえば210本との表示がある場合は、1インチ当たり経糸緯糸の合計本数が210本あることになります。

細くて長い糸は、繊維長も長くなければ作ることができません。そのため綿花の品種改良がおこなわれています。たとえばギザ45などは45番目に誕生した品種ということです。羽毛布団の生地に使われているインド綿においてはラムコのようなハイブリッドコットンなどもございます。糸の太さが細くなるにつれて密度の高い生地にいあがります。糸の太さは糸番手としてあらわします。また平織以外にも色々な織り方がございます。

繊維長が長い綿花を使いハイテクの工場で糸に紡がれ、さらに布に織られたものは仕上がりも素晴らしく、綿でありながら絹のような光沢と風合いがある布に仕上がるものもございます。

今回は、頂いて綿の種からコットンボールに育て、糸に紡いで布の原型まで作ってみました。普段は何も特別な注意を払うことなく着ている服とか布団の生地は、綿の品種改良、そして栽培する農家、輸送する商社、糸に加工する企業、さらには染色する会社など多くの方の手を通していることに感謝の気持ちがわいてきました。

また、今回の栽培?というほどではありませんが、綿を育てることで農薬の存在をありがたくもあり怖さを感じました。次回は農薬のことについて・・・。